Buon appetito! イタリアの食事のルール。

 年末からお正月にかけて、友達やら親戚とテーブルをワイワイと囲んだわけだが、大勢で楽しく食事をするときは暗黙のルールというものがある。例えば、目上の人のコップが空になったらお酒を注ぐとか、もしくは「次は何をお飲みになりますか?」と声を掛けるなどである。


  イタリアにも食事の暗黙のルールがある。食べるときにズーズー音を立てないなどは暗黙のルールではなくマナーである。とすると、何が暗黙のルールなのかというと、それは「Buon appetito! (ボナペティート: たっぷり召し上がれ!)」と誰かから言われたとき、他の人の料理が来ていなかったら、基本的に食べてはいけないというものだ。


大体、仲間のうち誰かか「Buon appetito! たっぷり召し上がれ」と料理が来た人に声を掛ける。声を掛けられた者は「ありがとうございます。でも、皆さんのお皿が来るのを待ちます」といって、皿には手を付けない。それなら、皆のお皿が揃うまで、黙って待っていればいいのではないかと思うが、やはり誰かが「Buon appetito!」と言うのである。もう儀式みたいなものなのかしらん。


日本では多少は他の人のお皿を待っているが、「温かいのが冷めますから」と言われれば、「そうですか、では失礼して頂きます」と場合によって先に食べることができる。そういった温かい料理を食べたいという私の気持ちを見透かしているのか、イタリア人はニヤニヤしながら「Buon appetito!」と言ってくる(ふざけてはいるが、本当は気遣っている)。「いえいえ、私はイタリア式が好きなので待ちますとも」と意地汚さを隠しながら澄まして答えるのである。






Ciao Italia

この瞬間にイタリアを旅する。

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