Secondo me

Secondo me(私の考えは): 私は複雑な家庭で育ち、病気がちで動作も鈍い子供だったので、家もさることながら学校も私にとって安らげる場所ではなかった。いつも下ばかり見て歩いていた。先生はそんな私を見ていたのだろうか、図書室に私を連れて行き本を読む楽しさを教えてくれた。とりわけ、見知らぬ世界が舞台な外国の本は、私を別世界に連れて行ってくれた。どんよりと曇った現実に小さな穴が開き、新鮮な空気が流れ込むような感覚を今でも覚えている。

そうして、大人になった私は新聞で「子供の貧困」、「いじめ」の記事を頻繁に目にする。最近の子供たちが生きる現実は私の子供の頃と同様に、又、それ以上にとても困難なようだ。自分は何かできないだろうかと思案し、苦しい現実を離れ別世界を味わえるイタリアの絵本や童話を、子供たちに紹介しようと思い立った。これが翻訳を学んでいる理由である。

さて、大人であろうと現実を忘れて知らない世界に旅立ちたいこともある。わずかな時間かもしれないが、このブログ通して子供だけではなく大人が別世界のイタリアに移動できたら嬉しいと考えている。


上写真:チンクエ・テッレの風景