最近、某携帯会社の桃太郎や金太郎がでてくるCMをよく目にする。このCMは外国人には分るまい。そして、あの昔話しを知ったとしても、あのような登場人物はすんなりと受け入れられるだろうか?と、考えながら、そういえば、イタリアの原書を訳していて「原文のままに訳して、こんな登場人物は日本人に受け入れられるだろうか?」と困った経験を思い出した。今日はそんな話をしようと思う。
まず初めに「死神」だ。「死神」と言えばやはり日本人は、男の死神かもしくは性別が分らない骸骨の死神を思い浮かべる人が多いだろうが、イタリアの原書の中では「死神」は女もいる。イタリア人に質問してみると、「死神は男のときもあるし、女のときもある。数にしていえば半々だ」そうだ。
次に「いじわる爺さん」だ。日本の童話の中にも「いじわる爺さん」のキャラクターは存在するが、ご存じの通り「いじわる」といえば「お婆さん」のおはこだ。しかし、イタリアでは「いじわる」といったら「爺さん」というイメージがある。だから、原文に「よくいるいじわるな爺さんで」とあると、そのまま原文の通り訳していいのだろうかと躊躇する。
さて、最終的にはお婆さんになる私としては、イタリアでお婆さんにいじわるな印象がないことは嬉しいのであるが、やはり日本人の常識とは異なる登場人物については、翻訳する際に困るのだ。翻訳勉強中の私はなおのことである。
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